「限局性」という言葉をわざわざ付けているのは、知的発達症(知的能力障害)で見られる全般的な学習困難と区別するためです。限局性学習症(SLD)には、以下のタイプがあります。
① 発達性読み書き障害(ディスレクシア)
本来、ディスレクシアは読字障害を表す障害名ですが、読みの障害は、ほぼ必ずと言ってよいほど、書きの障害を伴います。よって読みや書きの障害は、まとめて考えた方が支援策を考えやすいという観点から、ここでは「発達性読み書き障害(ディスレクシア)」とします。
● 一字ずつ読んでしまう(逐次読み)
● 読み間違いが多い
● 「きゃ」「きゅ」「きょ」など(特殊音節)が読めない・書けない
● 漢字が読めない・書けない。
● 文をスムーズに読めない、読むのに時間がかかる
● 文章の読解ができない
● 文字を正確に書けない
● 読みにくい字を書いてしまう
● 正しい文法で書けない
● 決まったパターンや、短い文章しか書けない
② 算数障害(ディスカリキュリア)
● 数の読み書きが困難である
● 数の大小や順番の理解が困難である
● 数を覚えることが難しいため、暗算ができない
● 計算にとても時間がかかる
● 計算が正確でない
● いわゆる文章題の理解が困難である
文責 林田宏一(キッズボンドグループ顧問、学校心理士、特別支援教育士)
【参考文献】
LD・ADHD等関連用語集【第4版】(2017年発行).日本LD学会編.
特別支援教育の理論と実践【第3版】Ⅰ 概論とアセスメント(2018年発行).一般社団法人特別支援教育士資格認定協会編.