戦国武将、織田信長のエピソードを考えると多くの学者は彼が注意欠陥多動性障がい(ADHD)であったと推察しています。
幼少時、寺に入れられ修行をさせられていたが、坊主の教義に耳を傾けるような従順な子供ではなく、自分の衝動を抑えることが出来ない問題児だった。
彼は感情の起伏が激しく、女を平気で殺したり、租税滞納の農民を焼き殺したりした。
いつもなにか空想にふけるような異常な性質があり、食事をしているときでも、意識はいつもほかのほうにいってしまっていた。
若い頃、馬に乗りながら、柿や栗をかじって、村をうろつき、周囲から「大うつけ」といわれていた。
もともと奇行をする癖があり、味覚も鈍感であった。
このようなエピソードがありながら、抜群の行動力と発想力で天下統一の一歩手前まで突き進んだのですから、すばらしい才能の持ち主です。
幕末の偉人といえば、坂本竜馬の名前は誰でも思い浮かぶはずです。
ご存知のとおり、薩長同盟や大政奉還を画策した大人物です。
その坂本竜馬も数々の文献から、ADHDや学習障がい(LD)であった可能性が高いといわれています。
10歳過ぎても、お漏らしをしていた。
食べ物を食べる時もボロボロこぼしながら食べていた。
1人で袴を履けない。
勉強が全くできず、字もろくに書けなかった。
遠慮がなく、人の話を聞かずよく居眠りしていた。
学塾は中退、成人してからも脱藩を繰り返す。
このように勉強もできなくて、生活面でもだらしない部分が多かったり、不器用だったりしていますが、幼少期は姉が竜馬を守りかばっていたそうです。
そばによき理解者がいたことで、過剰なコンプレックスを抱えずに成長でき、自尊心が下がることなく、前向きに人生を開拓しました。
常に先進的な考え方をする傾向があったお陰で、それが後に幕末の日本を変える大きな役割を担うまでになったのです。
「裸の大将」で有名な画家の山下清。
彼は、広汎性発達障がい(PDD)であったことが知られています。
人形などタンスの上の置物の位置を少しでもずらしてしまうと、かならず自分で決めた元の位置にもどす。
自分で決めたことが予定通りに進まないときは、機嫌がわるくなる。
焼魚や煮魚を食べるときは、頭、骨、尻尾のみを残す芸術的な食べ方をしていた。
旅先で見た風景を自分の脳裏に鮮明に焼きつけ、家に帰ってから自分の記憶によるイメージで貼り絵を完成させる。
放浪癖がある。
山下清は3歳の頃、重い消化不良になり一命は取りとめたものの後遺症で軽い言語障害、知的障害が残ったそうです。
ですから、正確には先天的な発達障がいと言えないかもしれません。
しかし、その後のエピソードはPDDの典型的な行動です。
それを乗り越え、旅先で見た素晴らしい景色を貼り絵という技法を使ってキャンパスの上に再現し、それが海外でも評価を受けるまでになったのです。
16世紀に生まれた天才「レオナルド・ダ・ヴィンチ」。
その業績は絵画、彫刻にとどまらず、音楽、科学、数学、工学、発明、解剖学、地学、地誌学、植物学までを網羅しています。
しかしながら、彼は学習障がい(LD)の持ち主でした。
鏡文字を書いた。
完成に至った絵画が異常に少ない。
約束を守らない。
メモの書いた日も、書いている場所もバラバラである。
まったく整理がされていない。
「万能の天才」といわれ、あらゆる分野で非凡な才能を見せたレオナルド・ダ・ヴィンチですが、学習障がいを抱えていました。
数多くの名曲をなどを世に送り出した天才音楽家モーツァルト。
彼は、典型的な注意欠陥多動性障害(ADHD)と言われています。
浪費家、ギャンブル好きで有名でいつも衝動を抑える事ができず、晩年は借金に苦しんだ。
いつも手を動かしたり、せっかちに動き回ったり、咳き込むように話していた。
気分は不安定で、陽気にしていたかと思うと、突然落ち込んだり、怒りにかられて悪態をついたり、急に女性的な優しさを見せたりした。
かんしゃくを起こしたり、下品な物言いでも有名で、大司教や興行主と大喧嘩して悪態をつき怒りをぶちまけていた。
身の回りのことはまったく不得手で、整理整頓は妻にまかせきり。
このような生活を送っていましたが、音楽に対する抜群の集中力で1791年に35歳の若さでウィーンにてこの世を去るまで、なんと生涯で600曲以上の作品を残しました。
発明王で有名なエジソンは、幼少期、広汎性発達障がい(PDD)、注意欠陥多動性障がい(ADHD)、学習障がい(LD)などの障がいを持っていたと考えられています。
「なぜなんだろう」という、科学の立脚点となる疑問を強く持っていたため、学校の授業を阻害することがしばしばあったからです。
このため学校から見放され、学校の教師であったエジソンの母が自ら教師役となって家で勉強を教えていたと言われています。
授業の途中でなぜだろうと疑問が浮かぶと、教師を質問攻めにしてしばしば授業を中断させてしまっていた。
終わらない質問に先生が激怒「エジソンの頭は腐ってる」「迷惑だ」と言い放ち、3ヶ月目にして学校を追放される。
「なぜ物は燃えるのか」を知りたくて、藁を燃やしていたら納屋に延焼させてしまった。
教師が粘土を例にとって「1+1=2」を教えていたら「1個の粘土と1個の粘土を合せたら大きな一個の粘土になるだけではないのか?」と言って、教師を怒らせた。
ガチョウの卵の孵化の仕組みを知ろうとして、自ら卵を抱えて温めてみる。
空を飛べるようになるため、ヘリウムガスにヒントを得た薬を友人に飲ませ、腹痛を起こさせた。
エジソンの母は、彼が毎日「なぜ?」という疑問が湧くたびに懇切丁寧に理解できるように説明していたそうです。
母親が答えられないことは図書館で専門書を読みあさり物理学、化学を習得したと言われています。
ついには、図書館の本を全て読んだそうです。
彼もまた、よき理解者の母に支えられ、すばらしい発明を数多く残したといえます。
アインシュタインは20世紀に相対性理論を完成させて、物理学の常識を塗り替えた人物として有名です。ノーベル物理学賞も受賞しています。
彼は、広汎性発達障がい(PDD)の自閉症であったとされています。
3歳になっても言葉を話さなかった。
九歳になっても、自由にしゃべることができなかった。
学校でも友達とは遊ばずに1人で遠くから見ているだけ。
語学や暗記なども全くできないが、数学だけは抜群の成績。
大学の入学試験では、数学以外の科目のせいで合格できず無試験で入れる大学に入学した。
彼は、興味のある数学や物理に特性を見出し追求した結果、相対性理論を完成させたのでした。
ディズニーランドの生みの親であるウォルト・ディズニー。
彼が創り出したキャラクター「ミッキーマウス」は世界中で愛されています。
そんな彼は、失読症(ディスレクシア)で苦しんでいたそうです。
ディスレクシアを持つ人は一般人に比べて映像・立体の認識能力に優れていると言われ、工学や芸術の分野で優れた才能を発揮している者も多いとされています。
まさにウオルト・ディズニーはこの芸術の分野で優れた才能を発揮した偉人と言って良いでしょう。
しかし、その苦労はおそらく大変なものだったに違いありません。
そのハンデをものともせず、信念を貫き通したその努力によって、ディズニーというすばらしいブランドを築くことが出たのでしょう。
iPhoneでお馴染みのアップルの創業者であるスティーブ・ジョブス。
スタイリッシュで革新的な商品を次々と生み出し、IT業界を牽引してきた人物です。
彼は、注意欠陥・多動性障がい(ADHD)や広汎性発達障がい(PDD)であったといわれています。
ヘアピンが電気を通すのか確かめたくてヘアピンをコンセントに突っ込んで感電する。
小学校の授業中に花火をした。
大学では授業に興味が持てず中退。しかし、退学後はカリグラフィというデザイン文字の美しさに魅了され、
カリグラフィの授業に出て、デザインを学んだ。
勤め先でもすぐにキレやすいという性格や仕事をする上で周りとの協調性があまり見られず、揉め事を起こす。
ベジタリアンだから臭わないと言い、お風呂に入っていない時期があった。
彼は、とにかくこだわりがすごかったそうです。
これまでどこの企業も気にしていなかった文字のデザイン性やPCの外観、そしてユーザーからは見えない内部にいたるまでこだわり抜きました。
一切の妥協を許さないところは彼のアスペルガーやADHDの特性を味方につけた結果であり、大きな強みになったとも言えます。
彼は好きな分野を徹底的に極め、世界中を驚嘆させた商品を生み出して言ったのです。
「ジョーズ」「ジュラシックパーク」「E.T.」「インディージョーンズ・シリーズ」などスティーブン・スピルバーグが監督した映画は数多くあります。
これほど有名な監督であるスピルバーグですが、実は幼い頃から失読症(ディスレクシア)という学習障がいに悩み、さまざまな困難に立ち向かってきたと2012年に公表しました。
彼はは幼い頃から文字を認識したり、数を正確に数えたりすることができなかったようです。
知能や理解能力自体に問題があるわけではないため、周りからの理解が得られにくかったことから教師に叱られたりクラスメートからいじめを受けたりと学生時代には辛い思いをしたようです。
読むことに困難さを抱えていたために、卒業が同級生に比べて2年遅れ、そのことでいじめを受けたりもしていました。
現在でも本や脚本を読む際には普通の人に比べて2倍の時間がかかると言います。
しかし、「ゆっくり読むから非常によく理解できる」とも述べています。
また、彼はこうもいっています。
「ハンディキャップを持ちながらも仕事をこなしてこれたのは、周りへのサポートを積極的に呼びかけていたからだ。」
周囲の人たちが理解しサポートすることで、彼の才能は開花していったのです。
世界中のパソコンのOSとして使われているWindowsの開発者であり、マイクロソフト社の会長兼顧問のビル・ゲイツ。どの家庭でもあるパソコンを普及させたのは、彼のおかげであるといっても過言ではありません。
彼は、広汎性発達障がい(PDD)と言われています。
ビル・ゲイツは、天才児として高いIQだったらしいのですが、素行はとっても破天荒だったらしいのです。
ハロウィンパーティーでは2階から階段の手すりをうつぶせで滑り降り、骨折後完治していないのにウオータースキーをした。
1つの事に、長時間のめりこんでしまうことや、興味のある事になら雄弁をふるうが、それ以外の事になると会話が成り立たなくなってしまう。
じっとしていることができずに、常に体を揺り動かしている。
1本調子で話し、声のトーンが変わらない話し方。
彼は、いまや世界の長者番付の常連です。
興味のある分野を追求し上り詰めた成果といえます。
「ロード・オブ・ザ・リング」「パイレーツ・オブ・カリビアン」などに出演し、イケメン俳優として名高く人気俳優のオーランド・ブルームは、文字を認識し、頭で理解することができなかったり、読めても頭で意味がわからないというような、文字認識における学習障がいの一種であるディスレクシア(失読症)をもっています。
彼は、7歳のときにディスレクシアの診断を受けました。
今でも、台本の台詞を覚えるのに苦労しているそうですが、字面ではなく意図を映像視覚的に覚えることで役作りをしています。
彼は、こういっています。
「役を与えられたら、徹底的に分解してから、スクリーン上でそれを再現するためにあらゆることをする。カメラの前でそれに命を吹き込むためにあらゆることをする。それが俳優業の面白いところですね。」
「夢を諦めるな、自分がバカだとは決して、決して思ってはならない。
他人に『バカだ』と言わせてはならない。
これは人格の問題でしょう。
この巨大な障害物を、大きなことを成し遂げるために越えなければならないハードルにするべきです。
このハードルを越えられれば、その分だけ人より遠くに行ける。より高い到達点に達するには、障害物が必要なのです。オールAで順風満帆な人生でも、麻薬に溺れることもある。とにかく、ディスレクシアという山を乗り越える挑戦は自分の人生の主導権を握り、自分を人生の勝者にしてくれるものなのです。」
世界的に有名な歌手ブリトニースピアーズは18歳のときに注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断されています。
最初のうちは薬で症状を抑えていたそうですが、併用してエクササイズ等行動療法によって症状をコントロールしていました。
しかし、ADHDの症状である破天荒な行動が時折出て、スキャンダラスな事件も起こしてしまっています。
2012年5月、人気オーディション番組「X ファクター」の記念すべき第一日目に、新審査員となったブリトニー・スピアーズが、オーディションの真っ最中に突然退席するという事態が起こりました。
その番組のギャラは破格の1500万ドル(約15億円)。
仮に機嫌が悪かったとしても、オーディション収録の真っ最中に長時間、退席するというのは異常事態です。
しかし、その番組のプロデューサーは彼女のことをとがめませんでした。
彼は、ブリトニーがADHDであることを認識した上で、彼女と契約し最大限のサポートをすると約束していたのです。
このように、周囲によき理解者がいてサポートしてもらってこそ才能はより成長していくものなのです。
トム・クルーズは出世作「トップ・ガン」そして発達障がいでもある自閉症がテーマの「レインマン」、発達障がいの理解を推奨するための映画「デイズ・オブ・サンダー」などの作品にて演じる有名ハリウッドスターです。
幼いころから「b」と「d」、「p」と「q」の区別ができず読解が困難で、ディスレクシア(失読症)である事をカミングアウトしています。
子どもの頃はその障がいのせいでいじめられ、勉強ができず内気で静かな少年だったそうです。
その美少年ぶりが買われ俳優デビューしてからも、台本が読めないため大変苦労しました。
しかし、耳で聞く情報はすんなり入るので、台本読みはあらかじめ誰かに読んでもらい録音、それを聞いて覚えるのだそうです。
字が読めなければ「できない」ではなく、別の方法で「できる」に変えて行きました。
このように、できないことがあれば、できる分野でできないことをカバーすれば良いのです。
そんな努力と前向きな姿勢で、トップスターの座に昇りつめました。