保護者の方へ

はじめに

発達障がいは、決して育て方により生じたものではありません。
しかしながら誤解や周囲の理解不足などから、保護者の方が子どもの気になる行動を自分の責任と感じ、自信を失ってしまう、抑うつ的になってしまうといった「二次障がい」が生じることもあります。

保護者が抱えがちな二次障がいの例
◆ 周囲から非難されることで自信を喪失する
◆ 育てにくさを感じる中で抑うつ的になる
◆ 周囲の不理解から相談する気を失ってしまう
◆ 子どもに必要以上に厳しく接してしまう

困ったことや悩み事があれば、私たちにすぐに相談してください。

 

家庭の役割

家庭は一種のオアシスであり、リラックスできる場です。
ましてや、母親は、子どもたち(障がいがある、ないに関係なく)にとって、安全度の高い安全基地的存在(基本的信頼感)でなければなりません。
その家庭が、最も緊張する場であったり、ストレスの場であってはいけません。

親は子どもに愛情を注ぎ子育てに熱心になるあまり、障がいに対しての専門的な知識を身につけ、それを子どもに強要しがちな場合があります。
専門家の代わりは何人もいますが、母親の代理はだれにもできないのです。

心理学的に、発達には大きく分けて 2 種類の発達が存在します。
1つは量的な発達。これは、身体の成長に伴い身長が伸び、体重が増えるという類の量的な発達を意味します。
一方、質的な発達とは、これまでできなかったことができるようになる過程で見られる、人の知覚、認知、知能に関わる変化を指します。

家庭においては、質的発達を促す場ではなく、量的発達を促す場であってほしいのです。

つまり、質的な発達に関しては、学校や私たちにお任せいただき、体が大きくなるような栄養とエクササイズ、ストレスのない環境づくりに徹して頂きたいと思います。

 

お父様へのお願い

発達に障がいを持つ子どものいる家族には、いくつかの試練があります。
その試練に、直接向かい合うのは母親であることが多いのですが、試練を乗り越えるためには、父親の理解、協力がどうしても必要です。

最初の試練は、自分の子どもが、何らかの障がいを持っていることがわかった時です。
その時の家族(特に母親)の精神的ショックは想像を絶するものがあります。とても子育てを楽しむどころでありません。
己れを責めたり、運命をのろったり、周囲に気を遣い、先を案じて子どもに手をかけてしまうことさえあります。
しかし、この時期における父親は、母親の苦悩に気が付いていないことが多く、母親のストレスはたまる一方です。
ですから、母と子をおおらかに包みこみ、感情的な反応に溺れないように支えてあげ、現実から逃避しない姿勢を見せてあげてください。
そうすることで、母親の精神的ストレスは軽減でき、良循環的な母子相互作用が確保でき、子どもの成長・発達によい影響を与えられます。

次の試練は、障がいをもった子どもをわが子として、しっかり育てていこうという決意をして、育てはじめた頃に襲ってきます。しかし、どのように育てていいのか、わからないで悩み、苦しむ期間が長く続くのです。
特に、核家族化が進んだ現代社会においては、ますます母親にかかる負担はたいへんなものです。
このような状況下で、「子育てはお前にまかす」といった態度をとる父親が多く、母親が子育てに苦しんでいても、無関心を装うことが多いのです。

母親ほど直接的に子育てには参加できなくても、父親が母親の一番のよき理解者になってあげてください。
とにかく、子育てに前向きに取り組む母親になってもらうように、物理的・心理的な諸条件を整えることが父親の最大の役割です。
障がいをもった子どもが、順調に成長・発達するか、しないかは、父親しだいといっても過言ではありません。

 

プラス思考を

「うちの子どもはこんなこともまだできない」とか、「そんなことやらせたって、どうせできっこない」などいうことばを、親たちが口にしているのをよく耳にします。発達障がいの子どもを持つ親たちは、マイナスにみてしまう傾向が強いようです。
たしかに、大きなマイルストーン(発達指標)で、障がいをもった子どもたちをみると、できないことがとても多いのも事実です。しかし、小さな小さなマイルストーン(発達指標)で、子どもたちの動きをみてみると、確実に変化しているし、成長・発達しています。

「できないから、叱る、諦める」というマイナス思考から、「できないから、工夫する、誉める」というプラス思考に、発想の転換をしていく必要があります。実際、このような発想の転換をして関わっていくと、「できること」の多いことに驚かされるものです。その結果、「叱ること」が減り、「誉めること」が多くなるという、良循環的な関わりに変化していくものなのです。

やはり、人間は「叱られる」より「誉められる」ほうが、やる気が起こります。「誉める」ためには、その子を取り巻く大人たちが、常にプラス思考をしていないと、誉められるものではありません。とにかく、マイナス思考をやめて、プラス思考を日々の生活のなかに取り入れていってください。

 

横(親同志)のつながりを大切に

母親と専門家(学校、医療機関、福祉センター等)という縦の関係での、障がいをもった子どもの障がい受容は、ある程度可能であり、それなりの信頼関係も、時間の経過とともに深くなっていきます。その結果、子どもたちの成長・発達に良い影響を与えることができます。

そのもう一方で、親同志の横の関係による仲間づくりが、母親の精神状態を安定させ、見通しをもった、子どもへの関わりへと変化させていきます。そのことが、さらに子どもたちの成長・発達に良い影響を、与えることができるようになります。

そして、この仲間づくりの成果として、「親の会」づくりへと発展させていきたいと考えています。親の会の先輩たちは、専門家とは違った立場から、若い母親たちや就学を目の前にして悩まれている家族に対して、適切なアドバイスをしてくださるはずです。

 

私たちからのお願い

障害児と関わりをもつ大人たち(親たちを含む)がやらなければならないことは、その子がもっている能力を最大限に引き出すことです(能力の顕在化)。
そのための一番重要な役割をもっているのが家庭です。
安全度の高い安全基地としての役割を、家庭が担わなければなりません。

家庭がオアシスであり、家庭という土台がしっかりしてこそ、専門機関および学校との、緊密な連携が取れ始め、安らぎの場であれば、障がい児の成長・発達を充分に促すことができると確信しています。

以下のお願いも是非ご覧ください。
>>>キッズボンド海津 管理者兼児童発達支援管理責任者からのお願い